冒頭の挨拶(「〜な𠮷水です」)を使う生徒が現れてきて嬉しく思っている𠮷水です。
今年度より「5ラウンドシステム」による英語の授業をしています。
#2年ぶり
最近よく耳にする「ラウンドシステム」の元祖とも言える「5ラウンドシステム」は西村 秀之(にしむら ひでゆき)先生が率いる英語科教員たちによって横浜市立南高等学校附属中学校での実践を経て生まれたものです。
その実態と実際に「5ラウンドシステム」の授業をしてみた(している)中で感じたことや学んだことをこのブログで共有していきます。

「5ラウンドシステム」を知ったきっかけ
これは運が良かったとしか言いようがありません。
私が参加させていただいている中部地区英語教育学会三重支部の例会で西村先生が講演されるとの話を聞いてすぐに参加の申し込みをしたことを覚えています。
「5ラウンドシステム」という言葉と「教科書を5周する」という事前知識しかありませんでしたが,実際の授業者から直接話が聞けるとあってとても楽しみにしていた記憶があります。
例会当日,午前中の部活動を終えて松阪市から津市へ移動する途中で昼食を取りました。
これが原因で遅刻をしてしまいました。
#まさかの注文から1時間が経過
しかし,怪我の功名とはこのことです。
講演会場の最前列しか空いていなかったこともあり,私はとても濃い時間を過ごすことができました。
(このおかげで数年経った今でも西村先生とは連絡を取らせていただける関係にあります)
今でも西村先生が言った言葉を覚えています。
「教科書を1回使うのと5回使うのとでは,どちらの方が力が身に付くと思いますか」
翌日には「5ラウンドシステム」バージョンのシラバスと指導計画を作成したくらいにビビビッときました。笑
5ラウンドシステムは片輪
「5ラウンドシステム」という言葉が独り歩きしてしまうことがよくあります。
私も過去に実践したときは「5ラウンドシステムでは……」という質問をたくさん受けました。
(「書籍が出ているのでそちらをご一読ください」と返していました)
しかし,実際に授業をしてみて感じているのは「5ラウンドシステムだけではダメ」だということです。
授業の指導過程を簡単に述べると以下のようになります。
「5ラウンドシステム」を成功させる鍵は授業の約半分を占める「帯活動」が握っています。
ラウンド1〜2で良質なインプットをこれでもかというくらい繰り返すので,インプットを活かした活動を取り入れなければなりません。
(「帯活動」についてはまた別の記事を書きます)
ラウンド1
それでは「5ラウンドシステム」の内容に入っていきます。
ラウンド1では「リスニングによる内容理解」をします。
しかし,ただ聴かせるだけではなく様々な工夫が必要です。
今回は私が最近行ったひとつの例を書きます。
ざっと書き出すとこのような感じです。
単に繰り返すだけでは飽きてくるので,聴き方(注目するポイントを変えるなど)をその都度指示すると生徒の反応が良いです。
また,聴く前に「帯活動」で教科書題材に関する話題を広げておくなどの工夫が必要です。
細かい文法や例外的な表現は質問が出ない限りは基本的にスルーしています。
ラウンド1で大切なことは「リスニングによる内容理解」なので「絵の並び替えができていた」のであればパーフェクトです。
新教科書には全ページにQRコードが記載されているので学校でのリスニングだけでは不安だという生徒も自宅で何度でも繰り返し聴くことができます。
1コマで平均して8〜10回教科書本文を聴くことになるのでインプットとしては充分な量です。
(さらにGWの課題として「教科書本文を聴きまくる」というものを出しました笑)
次は「ラウンド2」に入ったときにこの記事の続きを書きます。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。