英文法ネタが大好物の𠮷水です。
接続詞 if
中学校現場で多い質問をここで共有し一緒に考えていきましょう。
諸説あるものもありますが私が何十冊,何百冊と書籍を読み漁ってきた中で一番納得がいくものを例を用いて共に解決できたらと思います。
今回は接続詞 if を扱います。
if といえば「もし・・・・・・なら〜〜だ」という現実的な条件や「もし・・・・・・であったならば〜〜だろう」という仮想の状況を設定します。
生徒は if 節の時制に惑わされるようです。
① If it rains tomorrow, I’ll stay home.「もし明日雨が降ったら,家にいるよ」
② If I were in your position, I wouldn’t go with him.「もし私があなたの立場だったとしたら,私は彼に付いていくことはしないでしょう」
ここで多くの生徒の頭に浮かぶのは「①なぜ未来のことなのに現在形なのか?」「② I の後ろが過去形で尚且 was でないのはどうしてか?」という疑問です。
私も中学生のときは同じように「???」の状態でした。
それに加えて私の時代は先生に質問しても「覚えろ」しか言われなかったので笑,丸暗記してテストで公式を吐き出すという勉強しかできませんでした。
だからこそ今の生徒たちに同じ失敗をしてほしくありません。
それこそがこのブログをスタートさせた理由のひとつと言っても過言ではありません。
次期学習指導要領にも関わる
次期学習指導要領では中学英語で②も扱うようになります。
(難しくなることは確実ですが表現の幅が広がるのは素敵なこと)
まずは①を解決していきます。
現実の空間では「過去→現在→未来」と時間が流れていく感覚を持ちますが,未来のことをそのまま will や be going to などを使って語れば直接法的な語りになります。
つまり何らかの方法で「これは現実的な条件(もし・・・・・・なら)」だということを示す必要があります。
英語の世界では「テンス(時制)」と「アスペクト(態)」を調整するという方法があります。
(関連記事→「テンスとアスペクト」)
そして「ひとつ時間を遡らせる」,つまり未来のことに関心があれば現在形を用いることで「これは現実的な条件」だと示すことができます。
ここでもう一度例文に戻ります。
① If it rains tomorrow, I’ll stay home.
この英文では If it rains tomorrow, の部分が「もし・・・・・・なら」であり明日という未来に関心があるのでひとつ時間を遡り現在形( rains )を用いています。
もちろん「雨が降る」という出来事は現実に起こる可能性があります。
なので「現実的な条件」です。
それでは例文②を見てみます。
② If I were in your position, I wouldn’t go with him.
この英文も If I were in your position, の部分が「もし……なら」です。
ここで「ひとつ時間を遡らせる」というルールが使われていると考えてみてください。
つまり②は「過去形を用いて現在のことを表現している」ことが分かります。
そして「現実では起こり得ない」という意味を含んでいます。
(「私=あなた」という状況はあり得ません)
英文法は大切
私は英文法の説明を学校の授業ではあまりしていません。
なぜなら学校の授業ではその場でしかできないことに焦点を当てている(例えば,友人と自分のある経験について英語で会話する)からです。
しかし,英文法を軽視しているわけではありません。
英文法が正しく使えるということはそれだけ相手に自分の伝えたいことが正しく伝わるということです。
また,相手が理解しやすいということは会話のテンポも良くなりコミュニケーションが円滑に行われるということです。
英文法は英語学習者にとって大きな武器になります。
ぜひともこのブログ記事も参考にしていただき,英文法を理解し,外の世界でどんどん使っていただきたく思います。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。
余談
②で was ではなく were が使われている理由として「あり得ない形を取ることであり得ないを意味する」と学んだことがあります。
思わず「なるほど」と思ったのでここで共有しておきます。笑