文法用語ばかりを学ぶ英語の授業がくだらないと思いながら育ってきた人が先生になると同じ授業を再現していることに恐怖を感じている𠮷水です。
(自分が経験したことというのはそれほどに影響力がある)
「形が違えば意味が違う」
英語を学習していると,必ず似た表現が出てきます。
(他言語も同じだと思いますが笑)
しかし,英語であろうと日本語であろうと「形が違えば意味が違う」と考えてみると面白いかもしれません。
今回は,よく言われる「言い換え可能」という点について考えていきます。
結論から言うと,「形が違えば意味が違う」ので簡単に「言い換えが可能である」とは言えません。
My father can speak Chinese.
My father is able to speak Chinese.
これらの2つの文であれば,どちらも「父は中国語を話すことができる」という意味になります。
しかし,コアが違うのでニュアンスの違いが生まれます。
【コア】can「あることが実現可能である(と思う)」
【コア】be able to「〜する能力を備えている」
今回のように,can が「能力」の意味で使われるときに,can と be able to は確かにほぼ同じような意味になります。
しかし,他の使い方がある can と「能力」の意味しか持たない be able to はやはり違います。
ここからは,違いをはっきりさせていきます。
○ You can eat this chocolate.「このチョコを食べていいよ」←「食べることが可能だよ」
✕ You are able to eat this chocolate.「このチョコを食べることができる」←「食べる能力がある」???
be able to を使った文は一気にへんてこな表現になってしまいました。
つまり,be able to は can の「能力」の面においてのみ近い意味になるということが分かります。
最後に面白い表現を紹介して,この記事を終えます。
プールの話
ある家の娘がプールに入るとき,こう言いました。
I can swim.「泳げるよ」
しかし,少しバタ足ができる程度でした。
(ここで can を使うことに問題はありません。「実現可能である」と自分で思っているだけです!)
その後,練習を重ねて徐々に泳げるようになりました。
I’m able to swim well.「上手に泳げるよ」
今では上手に泳ぐことができます。
つまり,「泳ぐ能力を備えている」状態になったわけです。
ポイントは思っているだけではなく,実際にその「能力」があるということです。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。