冠詞 the はとても面白い
以前に投稿した「真実はいつもひとつ」という記事と前後が逆になってしまったので,満を持して the を取り上げます。
the「その」「一度出てきた名詞に the を付ける」と覚えているのであれば,今回の記事は役に立つと思います。
まずは例文を見てください。
Open the door.「ドアを開けて」
「その」ではありませんし,「一度出てきた名詞」にも当てはまりません。
それでは,なぜここで the が使われているのでしょうか。
頭の中をスッキリさせるべく,the のコアを見ていきましょう。
【コア】the「あなた(聞き手)も特定できる(と思う)」
つまり,「あなたも分かるでしょう」という意味合いがあります。
例えば,sun「太陽」は普段の会話において the sun と言います。
これは太陽がこの世にひとつしかなく,聞き手も分かるからです。
それでは,上の例文はどうでしょう。
これは「私(話し手)もあなた(聞き手)も特定できるドア」ということです。
教室にドアが1つしかない場合や,明らかに開けてほしいドアの近くにいる人に言っているなどの状況が考えられます。
特定する3つの方法
ここから少し踏み込んだ話をします。
それは the「あなた(聞き手)も特定できる(と思う)」から考えるべきことは「どのように特定するのか」です。
これについては,大きく分けて次の3点です。
①話し手が指をさした
②文脈に一度出てきた
③常識的に(太陽の例はこれ)
①は説明する必要もありませんよね。笑
指をさした先にあるモノについて話をしているので,聞き手も特定できます。
②は例文を使って説明します。
I bought a new laptop. The laptop was expensive but looks very cool.「新しいノート型パソコンを買ったんだ。高かったけど,とてもかっこいいよ」
初めに「ノート型パソコンを買った」と言ったので,聞き手の頭の中には「私(話し手)が買ったノート型パソコン」がイメージされています。
その後に「高かった」「かっこいい」と述べるときは,文脈上,すでに話題に上がったノート型パソコンのことだと聞き手にも分かります。
そこで,The laptop was expensive 〜. となります。
③は太陽の例がそれですが,もうひとつ例を出します。
There are some pudding in the fridge.「冷蔵庫にプリンが入っているよ」
帰宅した子どもに母が例文を言う場面をイメージしてください。
常識的に考えて,母(話し手)も子ども(聞き手)も自宅の冷蔵庫をイメージします。
(まさか「隣の家の冷蔵庫?」となる人はいません笑)
the はスペリングこそ簡単ですが,とても奥が深いです。
ぜひともこの記事の内容を意識しながら the を使ってみてください。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。
余談
the「あなた(聞き手)も特定できる(と思う)」なので,最上級でも使用されます。
Steve is the smartest boy in the class.「スティーブはクラスで一番賢い子だ」
クラス内で一番賢いのが誰かというのはみんなが知っていますよね。