丸暗記からの脱却
今回は法助動詞 will を扱います。
突然ですが,will の使い方をご存知ですか。
中学2年生の教科書に出てくる will ですが,正しく使いこなせている人は意外と少ないです。
その原因は従来の学習法である丸暗記に頼っているからです。
覚えただけの英語では適切な場面で使うことはできません。
それでは,本題に入ります。
まず,will の意味を中学レベルでざっと紹介します。
①【意志未来】〜するつもりである
②【単純未来】〜でしょう,〜だろう
(*NEW HORIZON ENGLISH COURSE 2 東京書籍より)
この説明で,will を正しく使いこなせるのでしょうか。
もちろん,答えはノーです。
この学習法では,永遠に英語と日本語を覚えていかなければならず,私たちの頭の中にあるメモリー容量をすぐにパンクさせてしまいます。
しかし,従来の暗記型から脱却すれば will はとてもシンプルに考えることができます。
(ちなみに,英語の表現のほとんどはシンプルです)
それでは,will を攻略しましょう。
【コア】will「(その場の)ノリ」
この意識を持って will 使ってみてほしいのですが,これだけではイメージが湧かないと思うので例を出します。
「あなたはリビングで本を読んでいます。すると,電話の呼び鈴が鳴りました。母は夕食を作っています。父は仕事からまだ戻りません。仕方がないので自分が対応しよう」という場面です。
この場合,英語ではこう言います。
I will get the phone.(I’ll get the phone.)「私が電話に出ます」
それでは確認していきます。
今回の例では,will「(その場の)ノリ」というコアがしっかり発揮されています。
「母→ダメ,父→ダメ,電話に出られるのは自分しかいない,しょうがないなー」という(その場の)ノリで決めたことです。
他にも例をいくつか紹介します。
I will help you.「手伝うよ」
I will be with you.「君と一緒にいるよ」
We will be very busy tomorrow.「明日はとても忙しくなるな」
全て(その場の)ノリで言っていることです。
また,これらの例から法助動詞は話者の「気持ち」を表すということが分かります。
今回扱っている will は話者のその場での気持ちを表しているのです。
余談
1つの単語が持つ意味はたくさんあるように見えますが,本当の意味であるコアとなるものは1つです。
そこから場面に応じた意味で使われているという考え方のほうがスッキリします。
そもそも,1つの英単語にいくつも日本語の意味があるのはおかしいですよね。
つまり,日本語では場面ごとに使われる言葉が違うので,どんどん英単語に当てはめていった結果が現在の辞書です。
あまりにも数が膨大で覚えられません。
英語はとてもシンプルな言語です。
そして,コア理論(少しずつ詳しく書いていきます)によって言語学習において常に必要とされてきた暗記からの脱却に成功したのです。