「基本動詞」
英語には「基本動詞」と呼ばれるものが存在します。
「基本動詞」は様々な場面で使うことができるので,英語でのコミュニケーションに幅が生まれます。
それでは,「現在単純形」はもちろん,「現在完了形」や have to など,たくさんの表現に使用される have を攻略していきましょう。
【コア】have「自分の領域に何か(モノ・コト)を持っている」
まず,「自分の領域」のイメージづくりからです。
「自分の領域の何か」は「モノ」だけではなく「コト」も表現するということを意識してください。
最初は,中学1年で学ぶ内容ですが,復習としてお付き合いください。笑
I have many books.「本をたくさん持っている」(モノ)
これは「自分の領域に本(モノ)を持っている」という表現です。
「自分の領域」とは,自分の手元だけではなく,自分のバッグや部屋も含みます。
(I have many books. は,自分の手で本を持っているわけではありません)
それでは,次に「コト」を見てみましょう。
I had a good time at the party yesterday.「昨日パーティで楽しい時を過ごした」
まさに,「楽しい時をすごした」という「コト(経験)」を持っているイメージです。
つまり,目に見えるモノだけではなく,経験などの目に見えないコトも have することができるのです。
さらに,中学3年生で学ぶ「現在完了形」にも少し触れてみます。
I have already finished my homework.「すでに宿題を終えた」
これも「自分の領域にコトを持っている」です。
つまり,「宿題を終えたという状態(コト)を持っている」→「宿題を終えた」となります。
have「持っている」→ have「自分の領域に何かを持っている」とするだけで,今までに別物として学んできた have to や「現在完了形」もすぐに理解できます。
また,使役動詞としての have も以下のように考えることができます。
I had my little sister clean my room.「妹に部屋を掃除してもらった」
同じく,「妹が部屋を掃除したという状態(コト)を持っている」→「妹に部屋を掃除してもらった」となります。
また,一見変わった(しかし,コアを捉えていれば当然の)使い方もあります。
Scott has something to do with the murder.「スコットはその殺人に関係がある」
「その殺人に関してすべきコトを持っている」→「その殺人に関係がある」と考えるとすんなり理解できます。
今回の have のように,「基本動詞」を正しく知ることで,英語の表現の幅がグーンと増えます。
コアである「自分の領域に何かを持っている」をイメージしながら使っていきましょう。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。
余談
イギリス英語でよく使われる好きな表現があります。
Have a look.「見て」
これも,「見るという動作(コト)を持っている」と考えることができます。
本当に英語は奥が深くて,面白い言語です。
〈参考文献〉
田中茂範, 弓桁太平. イメージでわかる表現英文法. 学研プラス, 2016