生徒はテストに興味大
テスト期間が終わると,生徒が駆け寄ってきて次の質問をしてきます。
先生,私のテストはもう採点しましたか?
僕は何点でしたか?
「さすがに,まだ採点が出来ていないから少し待って」と返しますが,それくらい生徒はテストの点数に興味があります。
自分がした努力の結果が数字として出てくるのですから,当たり前です。
生徒がテストに真剣になっているのですから,当然,私たち教員もテストと真剣に向き合わなければなりません。
教員にとっての「テストと向き合う」とは,大きく分けて2通りあります。
それは,「到達度テスト(授業としてのテスト)として相応しいテストの作成」と「テストの実施の仕方(返却を含む)」です。
今回は,あえて「テスト返却」についての記事を書きます。

「テスト返却」のイメージ
一般的に,「テスト返却」と聞くと,頭の中にはどのようなイメージが再生されますか。
開始後,数分をかけて生徒全員が出席番号(クラス番号)順に解答用紙を先生のところまで取りに行き,その後に教員からの解説という流れがイメージされたのではないでしょうか。
これは,現在の中学校でも本当によく見られる光景です。
しかし,この「テスト返却」の仕方にはいくつかの問題があります。
まず,(誰でも経験があると思いますが)生徒は自分の点数が分かると,気持ちはすべてそちらに流れてしまいます。
つまり,返却後にどれだけ素晴らしい解説をしても,生徒の耳には何も届かないのです。
これでは,テストが効果的に使えているとは言えません。
テストを効果的に使う
そもそも,「テスト返却」という言葉がダメなのかもしれません。
テストの問題は,授業者である教員たちが作成,精選した質の高い問題がたくさん扱われています。
つまり,力を付けるにあたって,とても役に立つ良質な教材なのです。
これを利用しない手はありません。

問題冊子だけ返却
まず,全員に問題冊子だけを返却し,もう一度問題を解いてもらいます。
すぐにグループを作り,問題についてああだこうだ議論させるという活動をよく目にしますが,1人で考える時間が必要です。
その後であれば,ペアやグループで確認をするのも良いでしょう。
もちろん,まだテスト返却はしません。
そして,ある程度取り組みが終わったのを確認して,先生からの解説に入ります。
すると,生徒(クラス全体)がとても集中して解説を聴いている姿を見ることができます。
その理由は,自分のテストの点数が分からないからです。
100点を取っている生徒からすれば,ほとんどの場合,解説は必要ありません。
しかし,自分の点数が分からない状況では,高得点を取っている生徒ほど先生の解説に集中して耳を傾けます。
「正解しているのかどうか分からない」ということが,集中力を高めるのです。
ラスト数分で解答用紙を返却
最後の数分で,全員に答案用紙を返却し,採点ミスがないかを確認してもらいます。
これで,授業1コマにフルで集中して取り組むことができます。
今まで,当たり前のようにしていたことの順番を少し変えるだけで,生徒の顔付きが変わります。
ぜひ,お試しください。
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。

余談
この記事を書く以前から現在までずっとこの方法でテストを返却していますが,とても効果的だと感じています。