中学校で英語を教えていると,よく耳にする言葉があります。
「先生,英単語が覚えられません」
これは,よく聞く弱音ランキングベスト3にインしてきます。
(この場合はワースト笑)
廊下などでの雑談として話題に上げる生徒もいれば,授業後にすぐ私のもとに駆け寄ってきて相談する生徒もいます。
私は,次のように返事をする先生を何人も見てきました。
「大丈夫! 何度も何度も頑張ってやっていれば,必ず覚えられるから!」
中学生は素直なので,すぐにその言葉を信じて頑張ります。
そして,同じ結果に行き着くのです。
そこで,まずは「がむしゃらに何度もやる」ことを疑ってみました。
何が分からないのか
本当に「何度もやろう」という声掛けで,生徒が英単語を覚えることができるようになるのでしょうか。
私の経験から言うと,答えは「ノー」です。
誤解のないように言いますが,くり返すことはとても大切です。
しかし,生徒はなぜ英単語が覚えられないのかが分かっていないので,不安なまま学習を続けなければならないのです。
解決策
それでは,私がどのように対応しているのか。
まず,生徒に次の質問を返します。
「英単語の何が分からないの? スペリング? 発音? 意味?」
「覚えられない」だけでは,生徒が何につまずいているのかがはっきりしません。
だから,まずはそこを明らかにします。
- 発音であれば,私が発音して,その後にリピートしてもらいます。
- 音声化が難しい英単語であれば,初期に学習したフォニックスを思い出しながら現在の英単語の発音へと繋げていきます。
- 意味であれば,イラストや写真を見せて,英単語から具体的にイメージする練習をします。
このように,覚えられないことから生まれる不安の正体を明らかにすることで,学習に集中できるようになります。
従来の頑張れば何とかなるという精神論や根性論だけでは,言語を使用できるようになりません。
私たち英語科教員の仕事は,生徒に英語を使用できる力を付けさせることなのです。
きちんと論理的に原因追求をできるように,私たちも勉強し続けなければなりません。